新たな自社ECのカタチ
~Shopify(ショッピファイ)とは~
一般的に小売業を営む企業が「自社でECサイトを構築したい」と考えた時、真っ先に思い浮かぶのがAmazonや楽天などのECモールに出店することではないでしょうか。確かに、モール型ECは集客力が高く、出店者側にとっては予め用意されたフォーマットに従って入力するだけなので出店までの導入ハードルが比較的低いため、多くの企業が出店しています。
ですが最近「Shopify(ショッピファイ)」というECサイト開発・運営を助けるプラットフォームが世界中で急速に拡大しています。この記事ではShopifyを利用しようと検討している企業の経営者様やご担当者様向けに、Shopifyの特徴や利用する際ののメリットや注意点、参考事例などを解説していきます。
目次
新たな自社ECのカタチ ~Shopify(ショッピファイ)とは~ 1
Shopifyとは 2
Shopifyの機能 3
・アプリが豊富で拡張性が高い 3
多様な決済システムに対応 4
・SNS連携対応しており、集客に強い 6
・越境ECに対応 8
Shopifyのデメリット 10
英語のヘルプコンテンツが多い 11
HTML/CSSなどの知識が必要な場面がある 11
ShopifyでECサイトを構築するだけでは集客につながらない 11
Shopifyの料金体系 12
Shopifyのプランと月額利用料金 13
ベーシックプラン (29米ドル/月) 13
スタンダードプラン 79米ドル/月 14
プレミアムプラン 299米ドル/月 14
Shopify Plus 2000米ドル/月~ 14
Shopifyライト 9米ドル/月 15
類似サービスとの比較 15
BASE(ベイス) 16
STORES(ストアーズ) 16
国内のShopify参考事例 17
ゴーゴーカレー 17
オリオンビール 18
KINTO 18
サンリオ 18
海外のShopify参考事例 18
レッドブル 19
テスラモーターズ 19
まとめ 19
Shopifyとは
Shopifyはカナダ発のECサイト開発・運営を助けるプラットフォームとして、175か国100万ショップ以上に導入されるまで成長を遂げています。日本では2018年のコロナ渦前よりサービス提供が開始されています。
デザイン性とカスタマイズの自由度の高さで人気を博しているShopifyの成長は著しく、2017年には50万店舗だったストア数も、2019年12月現在で100万店舗を超えるなどわずか2年でShopifyは大きな成長を遂げています。
Shopify成長の背景には、大型ショッピングモールでの運用に疲弊したECサイトを運営しているが、自社運営サイトの重要性を再認識した為とも言われており、自社内でのECサイト運用内製化に対する意識が高まってきています。
Shopifyでアカウントを作成すれば、管理画面で設定を行うだけでECサイトを作成できるので、サーバやネットワークの管理といった負担から解放されます。Shopifyでは、まず14日間の無料トライアルに登録して、その後は標準機能を備えたベーシックプランであれば月額29ドル(日本円で約3,000円)を支払えばよく、初期費用は一切かかりません
ShopifyはECサイト運営において、担当者の方が頭を悩ます業務について、綿密に考慮して設計されています。たとえば、昨今ECサイト担当者の頭を悩ませる、オンラインストア、SNSなどのソーシャルメディア、さらには実店舗での情報もまとめて管理できるような機能も実装されています。大手企業でもECサイト運営は縦割りの仕組みになっていることが多く、顧客の購買手段も多様化している中で、顧客情報・商品情報・在庫情報が一括で管理でき、各チャネルを統合できるのは、Shopifyの大きな魅力と言えるでしょう。。
Shopifyの機能
Shopifyの大きな特徴として、以下のような点が挙げられます。
・アプリが豊富で拡張性が高い
・サイトの構築や更新が簡単
・多様な決済システムに対応
・SNS連携対応しており、集客に強い
・越境ECに対応
・APIによるシステム連携で業務効率化を実現
・クラウド型(SaaS型)サービスで最新システムが利用できる
ではここからShopifyの具体的な機能に関して、個別具体的にご説明いたします。
・アプリが豊富で拡張性が高い
Shopifyは他のECモールや、同じECサイトプラットフォームより優れている点としてアプリインストールによる機能の拡張性が挙げられます。
ShopifyアプリをECサイトに導入することで、ストアデザインはもちろんストア管理機能をプラスしていくことができます。「Shopifyアプリストア」には約5,000種類以上も用意されていて、無料アプリも豊富にあります。「Shopifyアプリ」には集客や購入率アップ、SNSとの連携、客単価を上げる機能など、目的別に多くの種類がありますので、必要に応じて追加すると良いでしょう。
Shopifyで運営しているストアを運営していく中で、必要だと感じた機能をアプリで補っていくことによって、本当に必要な機能だけを揃えたユーザーオリジナルのShopifyを構築することができます。
・サイトの構築や更新が簡単
Shopifyには「テーマ」と呼ばれる多様なデザインテンプレートが用意されており、一般的にwebサイトを構築する際に必要となるHTML言語ややCSSなどの知識が無くとも、サイトのデザインをカスタマイズ、更新することができます。テーマは100種類を超えており、9つの無料テーマも存在します。
さらにShopifyアプリと連携させることで、在庫や配送の管理に関しても、発送の抜け漏れを防ぐ仕組みを構築売ることができます。ECの売上や在庫もアプリから簡単に管理できるため、いつでもどこでも自社サイトの状況を把握することが可能です。
多様な決済システムに対応
ECサイトを始めるにあたり必要な決済システムもShopifyでは充実しており、クレジットカード決済やコンビニ決済、代引きや請求書発行にも対応しています。
また「Pay Pal(ペイパル)」や「Amazon Payments」などのネット決済も利用可能です。
そしてShopifyでは、「Shopify Payment」と呼ばれる独自の決済サービスを提供しております。Shopify Paymentを利用することで、Shopifyストアにおいて以下のクレジットカード決済と、Apple Pay・Google Pay決済にも対応できます。クレジットカードは国内発行・海外発行いずれにも対応しています。
・Visa
・Mastercard
・JCB
・American Express
クレジットカード決済の対応を目的とするのであればShopify Payment以外の外部サービスでも可能です。しかし、以下のような多くのメリットがあることから、Shopifyストアを運営する際は、Shopify Paymentを導入することをお勧めします。
【メリット】
①審査不要、設定後すぐに利用開始できる
通常、ECサイトで決済サービスを利用開始するには、審査に時間を要するケースがほとんどですが、Shopify Paymentであれば、設定後すぐにクレジットカード決済に対応することができます。
②管理画面から決済情報をリアルタイムで確認できる
Shopify Paymentは、Shopify上の管理画面で、入金額をリアルタイムに確認できます。保留中になっている支払いと次の支払い日も確認することが可能で、保留中の支払いが振り込まれたときにメールで通知されるよう設定することも可能です。
③決済手数料以外の追加料金がかからない
Shopifyでは、Shopify Paymentではなく外部の決済サービスを利用する場合、一つの決済ごとに0.5%~2.0%の追加料金が発生します。
Shopify Paymentよりも決済手数料が安い外部サービスを利用したとしても、この追加料金を踏まえるとShopify Paymentのほうが安くなります。以上の点を踏まえると、クレジットカード決済に関してはShopify Paymentを利用するのがお得です。
以上のように、Shopify Paymentには、Shopifyストアを運営していくにあたり多くのメリットがありますが、デメリットもあります。
【デメリット】
①他のクレジットカード決済サービスを利用している場合
クレジットカード決済について、Shopify Payment利用前に外部の決済サービスを利用していた場合、Shopify Paymentの設定を行うと、クレジットカード決済に関しては外部の決済サービスの利用が停止されるのご注意ください。
②誰でも利用できるわけではない
Shopifyは世界中で利用できますが、Shopify Paymentは違います。Shopify Paymentは、カナダ、イギリス、日本、オーストラリア、アメリカを含む17の国でビジネスを展開している場合にのみ利用できます。これらの対象地域以外でShopifyを利用する場合は、他の決済方法を検討する必要があります。
また、すべての事業者がShopify Paymentを利用できるわけではありません。クレジットカードの利用を検討する前に、そもそもその商品をshopiyで販売していいのかどうか、Shopifyのウェブサイトに掲載されている禁止商品(アダルトコンテンツ、たばこetc…)のリストを確認する必要があります。Shopifyの規約に従わない場合は、事前の通知なしにアカウントが解約されてしまうことがあります。
・SNS連携対応しており、集客に強い
ShopifyのSNS連携では、Facebookメッセンジャーを利用したチャット対応やショッピングカードへの誘導、投稿にShopifyストアの商品をタグ付けできる機能などがあります。
SNSとの連携は、オンラインストアを宣伝してお客様とつながるためにとても有効な方法です。ビジネス用のSNSアカウントを作成して、ブランドの構築、SEO(インターネットの検索結果で上位表示を目指す施策)の改善、ストアへの誘導に役立てることができます。
Shopifyは以下のチャネルとの連携に対応しており、各チャネルで商品を販売することが可能です。Shopifyアプリストアに追加されたアプリを利用することで、その他の販売チャネルの開設も柔軟に可能です。
Shopifyと、それぞれの用途や商品のプロモーション施策にあった各種SNSとの連携により、より多くの顧客との接点をもつことが可能となり、新規顧客の獲得・売上UPが見込めます。
・Facebook(Messengerを含む)
Facebookとの連携によって「ショップ」という機能を使えるようになり、Shopifyで登録した商品をFacebook上で表示できるようになります。
世界最大のSNSであるFacebookの特徴はコミュニティ機能が強く、ファン間の情報共有やシェアなど、購買に直結するコミュニケーションが多いのが特徴です。ターゲットとしたい層に広告を打ちやすく、ターゲット層へのピンポイントなマーケティングができるSNSであると言えます。
Facebookとの連携には審査があり、審査後にFacebook上で商品の販売ができます。
審査は一般的には48時間以内で終了することが多いようです。
Instagramでは、フィード画面とよばれる投稿が表示される画面や、やストーリーから直接購買することができるため、小売・アパレルなどのジャンルにとても相性が良いSNSといわれています。ブランド力の向上や、ユーザーと直接コミュニケーションも取れるSNSとして、高い人気を集めています。そのためInstagramは、ニッチな商材でも新規顧客獲得に貢献できるツールと言えます。
ShopifyとInstagramを連携するために、まずInstagramアカウントを作成しましょう。
Instagramでは、アカウント作成段階においては個人・企業(ビジネス)のアカウントの区別がありません。ビジネスアカウントに変更する場合、アカウント作成後に変更できます。
Instagramアカウントができたら、Shopify管理画面で「販売チャネル」を追加することで、簡単に連携を完了することができます。
・Google Shopping
ECサイトのプロモーションを行っていくのにあたり「Googleショッピング広告」は非常にメジャーな手法です。
Googleショッピング広告は、ユーザーが検索したキーワードと関連性の高い商品情報を検索結果などに表示することができるので、ECに特化した広告と言えるでしょう。
通常の検索広告とは違い、 商品名、商品の写真、商品の価格を表示することできるので、自社の商品を視覚的に訴求できるのがGoogleショッピング広告の大きな特徴です。
通常の検索広告と同時に配信することで、より多くのユーザーに商品をPRすることが可能になります。
・越境ECに対応
通常、海外からの発注にも対応するための越境ECサイトを構築するためには、様々な機能に対応する必要があります。Shopifyは越境ECサイトを構築するのに、必要な機能が豊富に搭載されています。Shopifyで越境ECサイトを構築する方は非常に多く、特に次のような点から多くのユーザーに支持されています。
・多言語に対応可能
Shopifyは多言語に対応するテンプレート、翻訳アプリが充実しているため、ECサイトの多言語化も容易です。
・多通貨で決済可能
Shopifyは130ヶ国以上の通貨に対応しており、自動でレートを変換できるようになっています。やはりユーザー側から見ても、海外通貨で支払うことよりも現地通貨で支払うほうが安心して決済をすることができます。
そのため、自社で越境ECを構築しようとする特は、Shopifyのような多通貨決済に対応しているECサイトを活用することが、運用上重要なポイントであると言えるでしょう。
・多用な決済方法に対応
越境ECサイトで世界中の顧客に販売する場合は、サイト利用者の視点に立ち、多くの決済方法に対応して、あらゆる顧客層に快適な購買体験を感じてもらうことが必要です。Shopifyでは100種類以上の決済方法を簡単に導入できるため、世界で最も一般的に利用されているPayPalからStripeなどにも対応し、ユーザーが普段使用している決済方法に対応していなかったために、購入を諦められてしまうなんてことを防ぐことができます。
さらに、「Shopifyペイメント」というShopify独自の決済方法を利用することで取引手数料が無料になり、顧客はカード情報の入力や決済画面の移動がなく簡単に支払うことができます。販売する国によって利用されている決済方法は異なるので、越境ECサイトを構築する方は、事前に対象国を調査した上で決済方法を導入するようにしましょう。
・配送業務の簡便化
Shopifyは、配送業者の指定や配送料の設定などを非常に細かくカスタマイズ可能です。配送業者は世界の大手運送会社と提携しており、デフォルトでFedExやUPS、DHLなどの運送会社を利用できるようになっています。
配送料金は毎回一律に設定したり、注文価格に基づいて段階的に設定したり、商品の重量で設定したりすることが可能です。一律の場合でも複数の価格を設けられるようになっていることから、注文時に通常配送と速達をお客様が任意に選択するようなオペレーションも実現できます。もちろん、無料配送を指定することも可能です。
またShopifyは、「オープンロジ」という、物流アウトソーシングサービスと連携することができ、会員登録をすれば商品登録から出庫依頼までの工程をオープンロジ上で完結することができます。オープンロジは、固定費ゼロ、利用した分だけ利用料金を支払う形になります。
・マーケティング支援機能
Shopifyはアプリによる機能拡張により、検索結果からの流入を増やすSEO対策や、 前述のようにInstagramやFacebookで集客や販売を行うSNS連携を簡単に行えます。
また、Shopifyでは広告運用も行やすく、リスティング広告やSNS広告も複雑な設定を行う必要なく運用できます。越境ECサイト運営を成功させるには、ターゲットユーザーに応じた最適なマーケティングを行う必要があるので、カスタマイズ性の高いShopifyで構築しておくことをおすすめします。
また、Shopifyの管理画面の中には、「ストア分析」機能があり、レポート画面では売上、集客、利益率、顧客ごとの売上、キャンペーン分析などの情報を見て分析できます。これらはマーケティング的に非常に有用な情報なので、基本的にはShopify上で、情報把握を完結することができます。外部からの流入経路を見たいということがあればGoogle アナリティクスとも連携することができます。
・販売チャネルの連携が簡単
販売チャネルとは、商品やサービスを購入することができる場所です。
Shopifyの場合、ブログやSNS、amazonや楽天など他のモール型ECサイトと連携することで、それらのプラットフォーム上でもShopifyに登録した商品を販売することができます。
商品詳細や価格はもちろん、在庫数などのデータも同期されるため、どのプラットフォームで商品が購入されたとしてもShopifyの管理画面ですべてを管理することができます。
運営者側としては、販売チャネルを複数もつことで、売上だけでなく、商品認知の拡大や、様々なチャネルで商品を販売することで、どのプラットフォーム上のユーザーと商品の相性がいいのかなど、販売戦略を改善することができます。
Shopifyのデメリット
Shopifyの機能、メリットについて、具体的にご説明いたしました。では反対にShopifyのデメリットに関しても少し解触れていきたいと思います。
英語のヘルプコンテンツが多い
Shopifyのホームページには日本語版のヘルプページもあるので、運用していく過程でもし助けがほしい状況になったとしても、基本的な情報はShopifyのホームページを得ることができます。しかしShopifyはカナダ発のECプラットフォームサービスなので、日本での導入事例が多いといっても、詳細な情報はまだまだ英語でしか見つからない場合が多いです。
特に連携アプリに関する情報などは英語で詳細に関しては説明されていることが多く、Google翻訳を活用しても、日本語として読解できない可能性があります。アプリを導入してECサイトを思うようにカスタマイズ、作り込んでいきたい場合は、英語の知識がある程度必要になる場面があるかもしれません。ただここに関しては、日本でもっとShopifyが広がっていくことで、時間が経つにつれて解消していくことが期待されます。
HTML/CSSなどの知識が必要な場面がある
Shopifyでは、先述のように外部連携アプリを駆使することで様々な機能を追加することができます。ただしかし、本格的なECサイトに仕上げたい場合や、アプリで網羅されていない様々な機能を実装したい場合は、HTMLやCSSの知識が必要となります。HTML、CSSとは、WEBサイトを制作する際に使用されるコンピューター言語のことで、これらを駆使することでオリジナリティーのあるWEBサイトを構築することが可能となります、しかし企業内にHTMLやCSS言語を扱うことができる人材がいない場合、HTMLやCSSをイチから習熟するのはかなりの労力を要します。
ShopifyでECサイトを構築するだけでは集客につながらない
Shopifyは先述のように誰でも低コストで簡単にECサイトを構築できます。しかし、Amazonや楽天のようなモール型のECは、ユーザーがAmazonや楽天を訪れれば、自社商品を見つけてくれる可能性があるのに比べて、Shopifyで作成できるのは、あくまで自社ECサイトのため、モール型ECほどの集客力をはじめから期待することはできません。
すでに自社内でブログやSNSなどから集客を行える企業は問題ないかもしれませんが、そういではない場合は、ShopifyでECサイトを構築してもすぐに売上を増やすことはできません。
Shopifyは先述のようにSNS連携やSEO対策など集客面でも多くの強みがあります。Shopifyを導入する前に、どのように集客していくかある程度戦略を立てておくことが必要になります。
Shopifyの料金体系
Shopifyの人気の理由の一つに、コストパフォーマンスの高さも挙げられます。ShopifyはECサイト構築の初期費用がかからず、月額利用料金も29米ドル、おおよそ日本円で約3,000円からという手ごろな料金体系です。開始から14日間は無料で体験ができるため、気軽にトライアルすることができます。
ここではShopifyの利用にかかる費用の内訳について、その料金体系を紹介します。金額や料率は契約するプランによって異なるポイントについても触れていきます。
・月額料金
Shopifyの契約は基本的に月単位で、プランに応じて定められた月額利用料金を支払います。他の月額課金サービスと同様に、1年分や2年分をまとめて支払うと、利用料金の割引があります。
・取引手数料
取引手数料とは、顧客が決済サービスを利用して支払った代金を店側が受け取る際に発生するShopify側に支払う手数料です。決済方法には、先述のようにクレジットカードやコンビニ・銀行での支払い、代引き、携帯キャリア決済といったさまざまなものがありますが、ShopifyペイメントというShopify公式の決済方法を利用した売上には取引手数料がかかりません。
・決済手数料
決済手数料とは、顧客がクレジットカードや決済サービスを利用して商品代金を支払った際にかかる手数料です。料率はカードや決済サービスの種類によって異なります。
・両替手数料
もし海外顧客向けに越境ECをShopifyで構築しており、自社のShopifyストアで取り扱っている通貨(日本では円)と異なる通貨で商品代金が支払われた場合は、Shopifyに両替手数料を支払う必要があります(Shopifyペイメント利用の場合)。
・振込手数料
ここでいう振込手数料とは一般的な意味とは少し異なり、ECサイトの売上が自社の銀行口座に振り込まれる際の手数料を指します。他のEC構築サービスでは振込手数料が必要なケースもありますが、Shopifyでは無料となっています。
Shopifyのプランと月額利用料金
Shopifyには、利用できる機能によって月額料金が異なる通常プラン3種類(ベーシック、スタンダード、プレミアム)のほか、大規模なECに適したShopify Plus、ECサイトを構築せずにカート機能だけを利用するShopify ライトがあります。プランごとの内容と月額利用料金は次のとおりです。
【プラン別機能比較表】
ベーシックプラン (29米ドル/月)
ECサイトの運営に必要な機能を一通り網羅しているベーシックプランは、初めてECサイトを立ち上げる企業向けのプランです。管理画面とShopify POS(※)にアクセスできるスタッフアカウント数が2アカウントと少ないため、大勢で管理したい場合には不向きです。
ShopifyベーシックプランのShopifyの管理画面からは、財務レポート、ストアの集客レポート、複数の行動レポート、マーケティングレポートにアクセスできます。
※Shopify POSは、ECサイトの在庫や売上データとリアルな店舗のデータとを同期させるアプリです
スタンダードプラン 79米ドル/月
Shopifyスタンダードプランは、中小企業や売上がどんどん伸びている成長中のECサイトに合ったプランです。ベーシックプランでアクセスできるレポートに加えて、時間別の顧客数の変化やリピート購入の状況、国別の販売状況といった、より詳細なデータを確認できるプロフェッショナルレポートが付いています。
Shopifyスタンダードプランでは、海外ドメインの設定や、国や地域による商品価格のカスタマイズもできます。スタッフアカウント数は5アカウント付与されます。
プレミアムプラン 299米ドル/月
Shopifyプレミアムプランは売上規模が拡大しているビジネスに向いているプランです。スタッフアカウントが15アカウント付与されるので、大人数での管理にも対応できます。月額料金はベーシックプランやスタンダードプランに比べると割高ですが、取引手数料や決済手数料の利率が他のプランより低く設定されているため、売上が増えるほどお得になる料金設計になっています。
またShopifyプレミアムプランでは、プロフェッショナルレポートに加え、デフォルトのレポートをカスタマイズして独自のレポートを作成できるほか、注文した顧客にその場で送料や配送オプションを提示できる、外部配送サービスの自動計算機能が使えます。
Shopify Plus 2000米ドル/月~
Shopify Plusは大企業や売上規模の大きい企業向けのプランです。プレミアムプランのサービスに加え、ストアページのカスタマイズがほかのプランよりも幅広く行うことができ、さらに専任スタッフのサポートが受けられます。またプランの料金の範囲内で、Shopifyストアを9つまで追加することも可能です。スタッフアカウント数のせいげんはありません。
Shopify Plusの契約期間は12カ月~で、月額利用料金は2,000米ドルか、月の売上が80万米ドルを超える場合には、総収入の0.25%どちらか高いほうが利用料金として適用されます。
Shopify Plusでは、さらに他のプランでは利用できない拡張機能が使えます。例えば、パスワードを付与した特定の顧客だけが利用できるストアや、対法人顧客向けのストアの開設といった機能の追加が可能です。
そのほか、Shopify Plusでは大規模なオンラインストアの運営を効率化する機能も用意されており、キャンペーンやセールの公開時期を自動で設定する機能や、在庫が少なくなったときに自動的に発注作業を行ってくれる機能も追加できます。顧客のアクションデータを把握するために有効なGoogleタグマネージャーの設定もできます。Googleタグマネージャーを設定することで、Shopifyから発信した広告の効果計測を容易に行うことが可能になります。
上記の拡張機能はShopify Plusの基本料金に含まれているので、追加費用が発生することはありません。
Shopifyライト 9米ドル/月
Shopifyライトは、Shopify上にECサイトを構築はせずに、すでに持っているSNSやWebサイトにカートを追加してECを始めたい人に向いています。商品の販売管理や決済といった機能に特化したプランです。例えばShopifyライトを利用すれば、FacebookショップやInstagramショップで安価にECをスタートできます。
アカウントはオーナーとスタッフ2人分。ストア分析レポートやギフトカード発行といった機能が利用できます。
類似サービスとの比較
Shopifyは、手軽に自社ECサイトを構築できるプラットフォームサービスですが、他にも同じようなサービスを提供しているのが、「BASE」と「STORES」というサービスです。両者とも、「無料&数分でネットショップを開設できる」と簡単さを全面に打ち出しています。
企業によっては、Shopifyよりも、BASEやSTORESを使ったほうがメリットがある場合もありますのでここでは、3つのサービスの違いについて解説していきます。
【サービス別料金比較表】
BASE(ベイス)
BASEは、日本の企業 BASE株式会社が運営するネットショップ作成サービスです。
2022年1月の時点で、ネットショップの開設数が160万を突破しています。
BASEの特徴は、初期費用や月額費用が無料で、持ち出し0円でネットショップを開設することです。その代わり、商品が売れた際に手数料として、注文合計金額(商品代金+送料)の6.6%(決済手数料3.6% + サービス利用料3%)+40円がBASEに支払われる仕組みとなっており、ある程度の規模のECサイトを解説するのには少し不向きです。
ただ、Shopify同様、PCスキルが無くとも、BASE上に存在する豊富なテンプレートの中からデザインを選ぶことができ、よりカスタマイズをしたいという場合には、HTMLやCSSのデザイン編集も可能なので、こだわりたい人のニーズも満たしてくれます。
STORES(ストアーズ)
STORESは、日本の企業 ストアーズ・ドット・ジェーピー株式会社が運営するネットショップ作成サービスです。
BASEと違い、無料と有料プラン両方あるのが特徴で、それぞれのサービス内容が異なります。
STORESは、従来のフリープランを続々と拡充しています。これまでフリープランだと商品登録が5点までだったので、本格的なECショップを運営するためには有料プランを契約することが必須でした。
しかしこの登録数が無制限になったことで、BASEと並び、フリープランでも十分ネットショップの運営が可能になりました。
無料で使えるデザインテンプレートも10種類から48種類に増えたため、お金をかけずに様々なデザインから選べるのも大きなメリットです。
STORESは、BASEと違い、1商品が売れるごとにかかるサービス手数料(販売手数料)がかからず、無料プラン・有料プランともにBASE(6.6%+40円)よりも手数料が安く抑えられています。
また、有料プランは初月の月額料金が無料となるため、1ヵ月はお試しで利用できます。
STORESは、法人から副業で本格的にECサイトを運用している人まで、ある程度幅広く対応できますが、ある程度の大きい規模のECサイトを構築するには、少し不向きかもしれません。
国内のShopify参考事例
2017年に日本法人ができたばかりのShopifyですが、国内でも急速に普及しておりすでに多くの事例が存在しています。
ここからは、ShopifyでECサイトを構築した企業の実例をご紹介していきたいと思います。
ゴーゴーカレー
金沢から誕生し、日本中でブームとなったゴーゴーカレーのECサイトはShopifyで構築されています。ゴーゴーカレーのECサイトは、Shopifyの公式サイトにも成功事例として掲載されており、企業イメージカラーである黄色がメインに使用され、インパクトのあるデザインで作られています。
初めてゴーゴーカレーを食べる人やプレゼント用に、お得なまとめ買いセットが人気です。他にもファン向けのゴーゴーカレーで使用されているフォークやお皿なども販売され、楽天市場やAmazonとも連携して販路を広げています。
オリオンビール
国内シェア第5位の大手ビールメーカーであるオリオンビールのECサイトはShopifyで構築されています。会員機能や定期宅配機能など、オリオンビールファンには嬉しい機能が搭載されたECサイトです。
プレゼント用の飲み比べセットや公式オリジナルグッズの販売など、ここでしか手に入らない商品が揃っています。メールマガジンも配布しており、限定商品の入荷やお得なキャンペーン情報などをいち早く知ることができます。
KINTO
生活雑貨を取り扱っているKINTOのECサイトはShopifyで構築されています。トップページの一番目に付く部分に人気商品がスライドで表示されます。Styling Galleryというカテゴリーを見ると、KINTOの商品を使用した美しい写真が掲載され、気になる商品を簡単に見つけることができます。
サンリオ
日本発祥で世界的にファンの多い、ハローキティを手がけるサンリオのECサイトはShopifyで構築されています。日本国内のECサイトはShopifyではありませんが、イギリスとアメリカのECサイトはShopifyで作られています。
ブログやオフライン店舗の検索機能、会員登録機能をサイト内に実装されており、商品数も豊富で、自分の好きなキャラクターの商品を探し出せるように設計されています。
海外のShopify参考事例
Shopifyはカナダ発祥のサービスであるため、海外企業でも既にたくさんの導入事例があります。ここではその中の一部について紹介していきます。
レッドブル
世界中で有名なレッドブルのECサイトもShopifyで構築されています。レッドブルはエナジードリンクとして有名ですが、ECサイトではエナジードリンクではなく、主にファッション商品を取り扱っています。レース記念Tシャツやキャップなど、ECサイトでしか手に入らない商品が揃っています。
レッドブルのイメージに合うデザインを重視したショップに仕上がっています。
テスラモーターズ
テスラモーターズは電気自動車を販売している大手自動車メーカーで、テクノロジー分野やエネルギー分野で大きな成長を遂げており、非常に人気が高まっています。
ショップでは、モデルの概要や在庫を確認することができ、サイト上で試乗を予約することも可能です。デザインでは必要最低限の要素だけを掲載し、テスラの車以外の写真はあまり掲載されていません。自社の顔となる商品を全面的に押し出している点が参考になるでしょう。
まとめ
以上、Shopifyに関して網羅的に解説しました。ECサイトに求める機能やデザイン性が高いほどShopifyはその要望に応えてくれるプラットフォームです。
株式会社KIYONO はShopifyの日本法人がが提供する、Shopifyの開発・導入支援、及び販売に関するShopifyパートナープログラムに参画しております。越境EC・国内ECサイト構築経験豊富なスタッフが、シンプルなShopifyのECサイトから、本格的なカスタマイズ、技術的な対応を代行することで、お客さまの目的、実現したい世界観をとりまとめ、スムーズなネットショップの開店と運営を伴走サポートします。
またKIYONOは、これまで多くの企業様へ提供してきたMA/SFA/CDP等の各種ツール導入から運用までのノウハウを、Shopifyを利用したオンライン販売やマルチチャンネルへ連携することで顧客起点のマーケティング支援の体制支援を一層強化して参ります。
Shopifyでこれから開店・出品したい企業様、アカウントは開設済みだが売上が上がらない、競合に負けてしまっているなどの悩みをお抱えになっている企業様は是非一度KIYONOへお問い合わせください。