GA4できること解説!読み方や仕組みに導入方法なども初心者向けに簡単に解説します
GA4でできることを分かりやすく解説します。それだけでなく、導入手順からイベント計測、ウェブとアプリ横断のユーザー行動・CV・予測分析、BigQuery連携、プライバシー対応までを初心者向けに紹介!ぜひご覧ください。
GA4できること【最初に結論】
Google Analytics 4 (GA4) でできることを端的にお伝えすると「ウェブサイトとアプリを横断し、ユーザー中心のデータ計測・分析を行うこと」となります。
従来のユニバーサルアナリティクス (UA) がセッション(訪問)ベースだったのに対し、GA4はユーザー一人ひとりの行動(イベント)に焦点を当てています。これにより、以下のようなことが可能になります。
- ユーザー行動の詳細な追跡: スクロール、クリック、動画再生など、より多様なインタラクションを自動またはカスタムで計測できます。
- ウェブとアプリの統合分析: 複数のプラットフォームをまたぐユーザーの行動を一つのプロパティで分析できます。
- 機械学習による予測: ユーザーの将来の行動(購入、離脱など)を予測し、マーケティング施策に活かせます。
- プライバシー重視の計測: Cookieレス時代に対応したデータ計測の仕組みを備えています。
- BigQueryへの無料連携: 生データへのアクセスと高度な分析が可能になります (一定量まで無料)。
GA4は、変化の激しいデジタルの世界で、より深くユーザーを理解し、データに基づいた意思決定を行うための強力なツールです。
GA4の読み方
GA4は「ジーエーフォー」と読みます。 Google Analytics 4 の略称です。
GA4とは?簡単に解説
GA4 (Google Analytics 4) とは、Googleが提供する最新版のアクセス解析ツールです。2020年10月に正式リリースされ、2023年7月1日に従来のユニバーサルアナリティクス (UA) の標準サポートが終了したことに伴い、現在のGoogleアナリティクスの主流となりました。
ツールとして「できること」は前述の通りですので、ここでの説明は割愛します。
GA4で分析できること
もう少し具体的に見ていきましょう。ここでは、GA4で分析できることを7つのポイントに整理して解説いたします。
ユーザー行動の詳細分析
GA4では、クリックやスクロール等の詳細な「イベント分析」、関心度を示す「エンゲージメント分析」、行動の流れを見る「経路探索」、目標達成までの離脱点を探る「目標到達プロセス探索」により、ユーザー行動を多角的に深く理解できます。
- イベント分析: ページビューだけでなく、「どのボタンがクリックされたか」「どこまでスクロールされたか」「動画がどれくらい視聴されたか」など、サイト内での具体的な行動を把握できます。
- エンゲージメント分析: 「エンゲージメントのあったセッション(※)」や「平均エンゲージメント時間」など、ユーザーがサイトにどれだけ関心を持ち、積極的に操作したかを測る指標で分析できます。(※10秒以上の滞在、コンバージョンイベント発生、2ページ以上の閲覧のいずれかを満たしたセッション)
- 経路探索: ユーザーがサイト内でどのようなページ遷移や行動フローを辿っているかを視覚的に分析できます。離脱ポイントや回遊パターンを発見するのに役立ちます。
- 目標到達プロセス探索: 設定したコンバージョン目標(購入完了、問い合わせ完了など)に至るまでのユーザーのステップを分析し、どこで離脱が多いかなどを特定できます。
集客・流入元の分析
GA4では、どのチャネル(検索、広告等)から流入したか、またUTMを用いたキャンペーンの効果(流入数や成果)を分析し集客状況を把握できます。
- トラフィック獲得: どのチャネル(自然検索、広告、SNS、参照元など)からユーザーが流入しているか、各チャネルの貢献度を分析できます。
- キャンペーン効果測定: UTMパラメータなどを活用し、特定の広告キャンペーンや施策経由での流入数、エンゲージメント、コンバージョンを測定できます。
コンバージョン分析
GA4はイベントベースでCVを柔軟測定し、発生数・率を可視化。商品表示→カート追加→購入までの購買行動を追跡し、収益や人気商品・離脱点も詳細把握できます。
- コンバージョン測定: 商品購入、資料請求、問い合わせ完了などを「コンバージョンイベント」として設定し、その発生数やコンバージョン率を計測・分析できます。イベントベースのため、UAより柔軟な設定が可能です。
- eコマース分析: オンラインストアの商品表示、カート追加、購入などの一連の購買行動を詳細に分析できます。収益や人気商品なども把握可能です。
ユーザー属性の分析
GA4は、年齢・性別・地域など属性からデバイス・OS別利用状況まで横断的に可視化し傾向を探ることが可能です
- デモグラフィック: ユーザーの年齢、性別、地域、言語などを把握できます(Googleシグナルの有効化が必要な場合あり)。
- テクノロジー: ユーザーが使用しているデバイス(PC/モバイル/タブレット)、OS、ブラウザなどの情報を分析できます。
プラットフォーム横断分析
ウェブサイトとアプリの両方を運営している場合、同一ユーザーが異なるプラットフォームでどのように行動しているかを統合して分析できます。
予測分析
GA4は予測指標で購入・離脱確率を算出するなど、予測分析も可能です。そして、それらはリマーケティングなどの施策に活用できます。
- 購入の可能性: 過去28日間にアクティブだったユーザーが、今後7日以内に特定のコンバージョンイベント(例: purchase)を発生させる可能性を予測します。
- 離脱の可能性: 過去7日間にアクティブだったユーザーが、今後7日以内にアクティブでなくなる可能性を予測します。
高度なカスタム分析(探索レポート)
標準レポートだけでなく、「探索」機能を使って、自由な形式でデータを組み合わせ、独自の詳細レポート(セグメント分析、ファネル分析、経路分析など)を作成できます。
GA4の仕組み
GA4の仕組みを理解する上で重要なのは、GA4がイベントベースのデータモデルということです。
従来のユニバーサルアナリティクス(UA)は「セッション」を軸に、訪問ごとのページビュー数や滞在時間を測定していましたが、GA4ではページ閲覧(page_view)、スクロール(scroll)、クリック(click)、購入(purchase)など、ユーザーがサイトやアプリで行うあらゆる操作をイベントとして記録します。
さらに各イベントには「パラメータ」と呼ばれる詳細情報が付き、たとえばpage_viewなら閲覧したURLを示すpage_locationが含まれるため、より柔軟かつ精緻な分析が可能になります。
GA4のデータ収集の流れ
- データ収集: ウェブサイトやアプリに設置された「Googleタグ (gtag.js)」または「Google Tag Manager (GTM)」内のGA4設定タグが、ユーザーの行動(イベント)を検知します。
- データ送信: 検知されたイベントとそのパラメータ情報が、Googleのサーバーに送信されます。
- データ処理: Googleサーバー側でデータが処理・集計されます。この際、機械学習による予測なども行われます。
- レポート表示: 処理されたデータがGA4の管理画面にレポートとして表示されたり、「探索」機能で分析できるようになったりします。また、BigQueryにエクスポートすることも可能です。
仕組みを理解する上での重要な要素
- データストリーム: データを収集する元(ウェブサイト、iOSアプリ、Androidアプリ)を指します。プロパティごとに設定します。
- 測定ID (G-XXXXXXXXXX): GA4プロパティのデータストリームごとに発行されるID。このIDを使って、GoogleタグやGTMでデータを送信する対象を指定します。
このイベント中心の仕組みにより、ユーザーの行動をより粒度高く、柔軟に捉えることが可能になっています。
GA4の使い方【初心者編】
GA4の画面は多機能ですが、まずは基本的な見方と使い方を押さえましょう。
ホーム画面
ログイン後に表示される最初の画面です。
サイト全体の概要(ユーザー数、セッション数、エンゲージメント時間、収益など)や、リアルタイムの状況、よく見るレポートへのショートカットなどが表示されます。
AIによる「インサイト(分析情報)」が表示されることもあります。
レポート
左側のメニューにある「レポート」は、定型の分析データを確認する場所です。
リアルタイム: 今現在のサイト訪問状況を確認できます。
ライフサイクル:
- 集客: ユーザーがどこから来たか(流入元)を分析します。(例: トラフィック獲得レポート)
- エンゲージメント: ユーザーがサイト内でどのような行動をしたか(閲覧ページ、イベント発生、滞在時間など)を分析します。(例: イベントレポート、ページとスクリーンレポート)
- 収益化: ECサイトの売上や、設定したコンバージョンについて分析します。(例: eコマース購入レポート、コンバージョンレポート)
- 維持率 (定着率): 新規ユーザーとリピーターの比較や、ユーザーが継続して訪問しているかを分析します。
ユーザー:
- ユーザー属性: ユーザーの地域、性別、年齢層などを分析します。(例: ユーザー属性の詳細レポート)
- テクノロジー: ユーザーの使用デバイスやOS、ブラウザなどを分析します。(例: テクノロジー詳細レポート)
探索
定型レポートでは見られない、より自由で高度な分析を行う機能です。
「自由形式」「目標到達プロセスデータ探索」「経路データ探索」などのテンプレートがあり、自分で指標やディメンションを組み合わせてカスタムレポートを作成できます。最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れると強力な分析が可能です。
広告
広告キャンペーンの効果測定やアトリビューション(コンバージョンに至るまでの各接点の貢献度)を分析する機能です。Google広告と連携している場合に特に役立ちます。
設定 (管理)
画面左下の歯車アイコンからアクセスします。
プロパティ設定、データストリーム管理、イベント設定、コンバージョン設定、カスタムディメンション/指標の作成、アカウント連携など、GA4の各種設定を行います。
初心者の方が最初に見ると良いレポート
- レポート > 集客 > トラフィック獲得: どこからアクセスが多いか把握する。
- レポート > エンゲージメント > ページとスクリーン: どのページがよく見られているか把握する。
- レポート > エンゲージメント > イベント: どのような操作(クリック、スクロールなど)が行われているか把握する。
- レポート > 収益化(またはエンゲージメント) > コンバージョン: 設定した目標(購入、問い合わせ等)がどれくらい達成されているか把握する。
まずはこれらのレポートを定期的に見て、数値の変化に慣れることから始めましょう。
GA4の導入方法
GA4を導入するには、いくつかの方法があります。
1. まったく新規に導入する場合:
- Googleアカウントの準備: Googleアカウントが必要です。
- Googleアナリティクスアカウントの作成: Googleアナリティクス公式サイトからアカウントを作成します(既存アカウントがあればそれを利用)。
- GA4プロパティの作成: アカウント内で「プロパティを作成」ボタンを押し、指示に従ってプロパティ名、レポートのタイムゾーン、通貨などを設定します。
- データストリームの設定: 「データ収集を開始する」でプラットフォーム(ウェブ、Androidアプリ、iOSアプリ)を選択します。ウェブサイトの場合はURLを入力し、ストリーム名を設定します。「拡張計測機能」がデフォルトで有効になっており、ページビュー、スクロール、離脱クリックなどが自動で計測されます。
- 測定IDの取得とタグ設置: データストリームを作成すると「測定ID (G-XXXXXXXXXX)」が表示されます。このIDを使って、Googleタグ (gtag.js) または Google Tag Manager (GTM) 経由で、ウェブサイトの全ページに計測タグを設置します。
- Googleタグ (gtag.js) の場合: 表示されるコードスニペットをコピーし、ウェブサイトの<head>セクションの開始直後に貼り付けます。
- Google Tag Manager (GTM) の場合: GTMコンテナ内で「GA4設定タグ」を作成し、測定IDを入力して公開します。(GTMの導入が別途必要です)
- データ計測の確認: タグ設置後、GA4の「リアルタイム」レポートなどでデータが計測されているか確認します。
2. 既存のユニバーサルアナリティクス (UA) から移行する場合:
GA4設定アシスタントを利用する: 既存のUAプロパティの管理画面に「GA4設定アシスタント」という機能があります。これを利用すると、基本的な設定を引き継ぎながら新しいGA4プロパティを簡単に作成できます。
ただし、タグの設置(UAタグとは別にGA4タグが必要)や、イベント・コンバージョンの再設定は別途必要になる場合が多いです。
導入時のポイント:
- Google Tag Manager (GTM) の利用を推奨: GTMを使うと、コードを直接編集せずにタグの追加・管理が容易になり、イベント設定なども柔軟に行えます。
- イベントとコンバージョンの計画: GA4導入前に、計測したい重要なユーザー行動(イベント)やビジネス目標(コンバージョン)を洗い出し、どのように設定するか計画しておくことが重要です。UAとは設定方法が異なるため注意が必要です。
- データ保持期間の確認: GA4のデータ保持期間はデフォルトで2ヶ月(最大14ヶ月に変更可能)です。探索レポートなどで長期間の分析を行いたい場合は、設定を変更するか、BigQueryへのエクスポートを検討しましょう。
導入手順の詳細は、Googleの公式ヘルプや専門サイトで確認しながら進めることをお勧めします。
結論
GA4は、現代のユーザー行動とプライバシー要件に対応した、ウェブサイトとアプリのための新しい標準アクセス解析ツールです。
「イベント」を軸にした計測により、ユーザー一人ひとりの行動をより深く、プラットフォームを横断して理解することができます。また、機械学習による予測機能やBigQueryとの連携など、高度な分析も可能です。
従来のUAとは仕組みや画面構成が異なるため、最初は戸惑うかもしれませんが、GA4で「できること」を理解し、基本的な使い方に慣れることで、データに基づいたサイト改善やマーケティング施策の精度を高めることができます。
UAのサポートが終了した今、GA4の活用は必須です。この記事を参考に、まずは基本的なレポートの見方から始め、徐々に探索レポートやカスタムイベント設定など、より高度な機能の活用へとステップアップしていきましょう。