“見込顧客”を“顧客”へ育てるリードナーチャリングとは?

リードナーチャリングという言葉を聞いたことがありますか?リードナーチャリングとは、獲得した見込み顧客(リード)の購入意欲を高め、将来的な受注につなげていくマーケティング方法です。

2020-08-01
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■目次

1.はじめに
2.リードナーチャリングとは?
3.なぜ今リードナーチャリングが注目されているのか?
4.リードナーチャリングの重要性
5.リードナーチャリングにおけるメリットデメリット
6.リードナーチャリングにはどんな手法があるの?
7.リードナーチャリング導入の6つのプロセス
8.リードナーチャリング成功事例
9.リードナーチャリング失敗事例
10.自社にとって最適なリードナーチャリングを



1.はじめに

リードナーチャリングという言葉を聞いたことがありますか?
リードナーチャリングとは、獲得した見込み顧客(リード)の購入意欲を高め、将来的な受注につなげていくマーケティング方法です。 特に、購入プロセスにおける検討期間が長いBtoBのほか、BtoCのなかでも不動産や金融商品など検討に時間をかける商材において、有効な方法とされています。リードナーチャリングを自社のマーケティング戦略に導入すれば、今後の顧客アプローチのヒントになるかもしれません。


この記事では業界や商材など多岐にわたるお客様へ、マーケティングアプローチをしてきた弊社が得た知見をもとに、リードナーチャリングについてわかりやすく解説します。この記事を読めば、約10分でリードナーチャリングが理解できるはずです。属人的にならない仕組み作りを通して、“見込み客”を“顧客”へと育てる第一歩を踏み出してみませんか?




2.リードナーチャリングとは?

●リードナーチャリングの語源

リードナーチャリングは、見込み客を実際に購入に結び付け、長期にわたる顧客となってもらうことを意図したマーケティング手法です。リードナーチャリングのリードとは英単語のLeadが語源です。 リード(Lead)は「見込み顧客」、ナーチャリング(Nurturing)は「育成」という意味を持つ言葉で、文字どおり顧客を育成する活動を指してリードナーチャリングと呼んでいます。マーケティング業界では“顧客の育成”や“事業の育成”を指すのに用いられています。


●見込み顧客における“獲得”と“育成”と“絞り込み“

一般的に、以下のような流れでマーケティング活動が展開されます。
1リードジェネレーション:見込み顧客を獲得する
2リードナーチャリング:獲得した見込み顧客を育成する
3リードクオリフィケーション:育成した見込み顧客の絞り込みを行い、受注確度の高い見込み顧客を抽出する

見込み顧客を獲得し、獲得した見込み顧客を育成して絞り込みを行い、営業部門に受注確度の高い見込み顧客のリストを提供する流れになります。これらのプロセスを総称してデマンドジェネレーションといいます。


●見込み客を獲得するリードジェネレーション

リードジェネレーションとしては、展示会での名刺獲得やWebサイト上での問い合わせ獲得、SEO対策、さらに飛び込みやテレアポなどの営業活動などがあります。これまでは、マーケティング担当者が獲得したリードを営業に渡し、各営業担当がアプローチするという構図が一般的でした。しかし、インターネットが普及し、顧客が能動的に情報収集するようになってきたことにより、まだニーズが顕在化していないような早い段階から顧客と接触しておくことが重要となってきました。その結果、営業に渡されるリードの温度感が、直近での導入・検討を進めている非常に有望なものから、まだ情報収集段階の潜在的なリードまで様々なものが含まれるようになっていったのです。営業が一度アプローチした際に見込み度合いが低ければ、そのまま放置されてしまっていました。

●見込み客を育てるリードナーチャリング
せっかくリードを獲得しても、その時ニーズが無いからといって放置してしまっていては、その間に競合に取られてしまうかもしれません。そんな中で出てきた概念が「リードナーチャリング」です。リード(lead)を育成する(nurturing)という言葉からも分かる通り、これまで獲得してきたリードに対して、有益な情報提供を続けながら自社サービスの教育をすることによって、見込み度合いを上げる活動のことを指します。

リードナーチャリングの活動としては、後ほど詳しく説明しますが、メールマガジンの配信や導入事例の提供、セミナーの案内や無料トライアルの案内などが該当します。こうしたリードナーチャリングを行い、ニーズが顕在化したリードに対して営業がアプローチすることで、より有益商談に注力することができるようになりました。リードナーチャリングは中長期的に顧客を育成することを仕組化し、効率的な営業活動を行えるマーケティング施策のひとつなのです。

●購買意識の高い顧客を選別するリードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションはリードナーチャリングの段階からとくに購買意識の高い顧客に対して選別を行うマーケティング手法です。リードに対して、この状態に選別できた場合には、既に自社サービスに対して興味や関心を抱いていることから、営業やPRがし易い状態にあります。リードクオリフィケーションにおける「絞り込み」には、主にスコアリングという手法が使われます。詳しくは別記事(スコアリング)で説明しますが、スコアリングとは、簡単にいえば見込み顧客の属性や興味・関心、行動に応じて点数(スコア)を付与し、このスコアを基準として見込み顧客の成熟度(購買意欲)を判断するという手法です。

リードクオリフィケーションにて顧客の購買意欲を選別するための方法はお問い合わせやサービス資料のダウンロード、セミナーへの参加やサービスサイトの閲覧や営業からのアプローチのフィードバックなどから判断していきます。そして、選別したうえで顧客に対して以下の要素で分析を重ねていきます。

ー顧客の属性(業種、職種、役職など)

ー行動履歴

ー顧客が手にしている情報

これらの要素を分析し、リードクオリフィケーションの選別基準を見直し続ける事によって、有益な営業アプローチリストを作ることが重要です。

リードジェネレーションからリードナーチャリングへと至るプロセスとポイント

上記でも触れた通り、リードジェネレーションとリードナーチャリングは非常に密接な関係があります。


3.なぜ今リードナーチャリングが注目されているのか?

リードナーチャリングが注目される背景としては、市場の変化に適応したためと考えられます。元々リードナーチャリングはアメリカが発祥の手法ではありますが、現在の日本の市況にあわせて浸透してきた背景があります。リードナーチャリングが注目されている背景には、ユーザーの購入スタイルの変化が関わっていると言われています。



●顧客の購入プロセスの長期化

インターネットが普及する前は、商品などの情報は企業が発信した内容を受け取って検討するのが主流でした。一昔前の日本では、営業が商品をアプローチする方法が一般的でした。基本的に顧客は「待ち」の状態でいれば、勝手にセールスが入り、購入するかしないかの選択をするだけでした。


インターネットが広く浸透しはじめてからは、ユーザー自身で気になる商品の情報を集めることができるようになりました。ユーザーは集めた情報でサービスや商品を比較するため、1~2回の営業活動では購入に至らないケースが増え、商品購入に至るまでの検討期間が長期化しました。そのため、検討期間が長い商品やサービスのマーケティングに有効的なリードナーチャリングが注目されはじめたのです。




購入に至るまでのプロセスの長期化し、購入するまでにユーザーは、商品をよく吟味し検討を重ねます。それが安価なものであればそれほどプロセスは変わらないかもしれません。ですが、高額商品、個人情報を伴うサービスなどは、より購買プロセスが長期化しやすくリードナーチャリングがとても重要になってきます。

比較検討が生まれることで「売り込まれた感」をユーザーが感じやすくなっています。ユーザー心理にも変化があるため、こうしたユーザーの育成が必要になってきたと考えられるでしょう。


●リードの対応ができず休眠顧客が増大

毎月の売上を作るためには、アプローチしたユーザーの中から確度の高いリードに対し企業の営業はアプローチをしていきます。

そうすると、確度が高い見込み客だけを対応するために、営業活動をしないリードは蓄積されていきます。結果として、リードをとるだけとってアプローチできていないユーザーが増えて機会損失になっている状況が、ビジネスの課題としてありました。その問題を解決するために、リードナーチャリングが注目されるようになったと考えられるでしょう。見込み客の購買プロセスが大きく変化するにつれ、リードナーチャリングとよばれる、見込み客の育成が重要だとされるようになりました。


●コロナ渦での営業スタイルの変化

コロナ渦での環境の変化から、オンライン営業が主流となっています。訪問による対面営業がはばかられるからこそ、非接触型のリードナーチャリングを開始する企業も多くなってきています。コロナ渦においても営業ソリューションとして、リードナーチャリングの重要性が上がってきています。



4.リードナーチャリングの重要性

リードナーチャリングの重要性は、すでに数値として証明されています。毎月の利益をあげるために見込みが高いリードに対し営業をかけるように、直近で購買検討しているユーザーは20〜25%前後です。それ以外のリードにアプローチしても購買に繋がらず、売上に計上することはできません。この点は、マーケティングの基本とも言えます。しかし、直近は購買に至らなくても、2年以内に行動を起こし競合などの製品を購入するユーザーは80%いるといわれています。リードナーチャリングでは、すでに獲得しているリードや休眠顧客から売上を創出でき、しかも80%の可能性があるためメリットは大きいでしょう。

購買意欲を高めるためには、ある程度の費用や工数がかかります。ですが、完全に今すぐ購買を即決する顧客へ育てずとも、ニーズが潜在的なものから顕在的なものへ成長した時点で、アプローチをしかければ、売上に転換できる可能性は高まります。このように、リードナーチャリングを行うことで、見込み顧客の流出を防ぎ、営業効率の向上に貢献することは最大のメリットともいえます。




5.リードナーチャリングにおけるメリットデメリット

リードナーチャリングのメリットデメリットについて説明します。


●リードナーチャリングの6つのメリット

昨今インターネットの普及と共にリードナーチャリングが活発化してきた背景から、様々な企業が導入しはじめ、強化しやすい状況になってきました。これまでの内容でも、リードナーチャリングの重要性について述べてきましたが、改めてメリットを紹介します。


① 長期的にユーザーをフォローする仕組みができる

購入プロセスの長期化に伴い、企業は見込み客などを長期間かけてフォローしなくてはいけません。しかし、営業担当者で顧客一人一人をフォローし続けることは難しく、効率的ではありません。そこで、リードナーチャリングの手法を用いて顧客に対してフォローができる仕組みを作れば、効率的に長期間フォローすることができるようになります。


②適切なタイミングで情報を届けることができる

ユーザーは1人1人検討期間が異なり、購買したいタイミングも異なります。リードナーチャリングで、見込み客の興味や行動を可視化していきます。そうすることで、見込み客が必要としている情報を、必要なタイミングで届けることができるようになるので、効果的にアプローチが可能です。適切なタイミングのアプローチはユーザーにとっても企業にとっても大きなメリットです。


③ ブランドのイメージを高めて信頼を築ける

適切なタイミングで必要な情報を提供することができると、ユーザーは良いイメージを抱きます。また、長期にわたってユーザーをフォローする仕組みを整えておけば、ユーザーとコミュニケーションをとれる機会を増やすことができます。そうすることにより、ブランドのイメージアップを行いながら、ユーザーと信頼関係を築くことができます。


④継続的な受注率アップにつながる

リードナーチャリングの実践で検討段階の顧客を抱えている企業ほど、継続的に売り上げを上げることができるようになります。見込み客の検討段階に合わせてリードナーチャリングの手法を変えていき、信頼関係を築きながら購入までのフォローを行い、定期的に売り上げをだすことができます。

見込み客のニーズにあわせて、リードナーチャリングで教育が進んだ顧客やユーザーからの受注ができれば、受注率のアップが図れます。


⑤見込み客が競合へ流れるのを防ぐ

1ユーザーに対して競合他社を差しおいて、自社だけがリードを持っているケースは少ないです。様々の同業他社の営業の網に見込み客がかかっている可能性があります。しかし、リードナーチャリングでユーザーをしっかり教育できていれば、ファン化も進み、競合と争う必要がなくなります。


⑥集客コストのロスを防止

リードナーチャリングは、集客に使ったコストを回収し、売上につながる役割も担っているのです。リードナーチャリングによって集客の費用対効果を高められます。広告やSNS運用に多くの費用をかけて見込み顧客を集客させて、一部が成約につながったとしても、それ以外の顧客をそのままにしておくのは効率的ではありません。成約につながらなかった休眠顧客は、重要な見込み顧客です。リードナーチャリングによって適切なタイミングで再アプローチして製品・サービスの購入につなげることで、集客コストの削減につながります。


●リードナーチャリング3つのデメリット

見込み顧客をニーズや状況に合わせて育成するリードナーチャリングには、メリットが多く見えますが、多くのリソースと時間がかかることに注意が必要です。 見込み顧客の数が増えるほど、セグメンテーションにかかる労力は大きくなります。 また、どの施策を行うにしても、コンテンツを作成し、運用するリソースも必要です。


①長期的なアプローチが必要

リードナーチャリングは「見込み顧客の育成」という意味の言葉であるとおり、さまざまなアプローチによって徐々に見込み顧客の購買意欲を育てていくものです。

すぐに効果が表れるものではなく、長期的に育成し続けていくことが重要になります。即効性のある施策が必要という場合には向かないといえるでしょう。


②集客力がないと機能しない

リードナーチャリングは収集したリードに対してアプローチをおこない、購買行動を促す手法のため、リードの獲得が必要不可欠です。そのため、定期的にリードを獲得できる手段、集客力がなければ機能しません。


③リソースが必要で社内連携もマスト

リードナーチャリングには、まずリードを収集するための集客、またそのリストの管理、リードに対しメルマガ配信やSNSなどでナーチャリングするメンバーも必要です。さまざまな場面である程度の人的リソースを割く必要があります。

また見込み客がある程度確度が高くなってきた場合、営業部門との商談につなげていきます。このあたりの社内連携やコミュニケーションが密にとれない場合、リードナーチャリングの効果がほぼないといっても過言ではありません。



6.リードナーチャリングどんな手法があるの?

リードナーチャリングの手法やアプローチについて紹介します。どの施策が有益かは、目的となるゴール設定や企業の規模、商材特性によっても異なります。自社のサービスや商品、そして顧客の解像度をしっかり理解して取り組んでいきましょう。


●オウンドメディアでの有益な情報発信、SEO対策

オウンドメディアで商品・サービスへの興味関心を喚起したり、理解を促したりすることで、リードの獲得や購買意欲の後押しに利用できます。掲載するコンテンツもSEOを意識したり、SNSで拡散されるような内容にすることで、より多くの訪問者、リードの獲得に役立てることができます。


●SNSマーケティング

最近は、SNSアカウントを運用する企業も増加してきています。SNSは見込み顧客の発掘、交流をおこなうのにたいへん便利なツールです。定期的に情報を発信することができるうえ、内容次第では拡散されたり、ファンが増えたり、さらに多くのユーザーから注目される可能性にも期待できます。SNSは登録・利用ともに無料のものが大半で導入ハードルも低く、投稿を広告として出稿もできるため、うまく活用できれば高い効果を得られるでしょう。


●定期的なメルマガ配信、ニュースリリース

リード情報を獲得している見込み顧客に対し、自社や商品・サービスに関する情報を定期的にメール配信する方法です。たとえば新商品の最新情報やクーポン・割引の紹介、セミナーのお知らせなど、宣伝したいものに関する内容であればなんでも構いません。もっとも重要なのは継続して配信することです。メールを目にする度に存在を思い出してもらい、想起回数を増やし、関係を継続していきます。


●見込み顧客のニーズに合わせたセミナーを開催

セミナーの開催も新たなリードの獲得や、既存の見込み顧客の購買意欲を後押しするのに効果的な手法です。自社・共催セミナーだけでなく、フォーラムでの登壇、展示会への出展など、積極的に参加してリードとの接触回数を増やし、想起回数を増やすことも重要です。


●リターゲティング広告の活用

リターゲティング広告とは、自社のWebサイトを訪問したユーザーや広告をクリックしたユーザーに対して、ユーザーが閲覧している外部サイトに表示する広告のことです。自社の商品やサービスに興味をもった見込み顧客に対して再度、広告を表示することで、ニーズを喚起したり、記憶から抜け落ちていたユーザーに思い出してもらうきっかけを与えることが出来ます。リターゲティング広告を利用して、一度でも自社に興味を持ってくれたユーザーにフォローを行い、数日後ページに戻ってきてもらうことで、再び検討してもらい購買に繋げるという誘導を行いましょう。


●電話やDMで顧客ニーズへ提案を行う

昨今ではリードナーチャリングを電話で行うケースが増加しており、基本的にはインサイドセールスの役割を担う人が行います。テレアポとは違い、よりマーケティングに重点をおいて見込み顧客と関係性を構築していく点が特徴です。またDMや資料送付を通じて、顧客ニーズにダイレクトに解決策を提案していくこともリードナーチャリングで顧客との関係を築いているからこそできる施策のひとつといえます。


7.リードナーチャリング導入の6つのプロセス

それではリードナーチャリングを導入する際の手順について紹介します。

①顧客情報の収集

リードナーチャリングで見込客を育成するためには、まずその対象となる見込客を獲得(リードジェネレーション)しなければなりません。電話での問い合わせ、Webサイトでの資料請求やサンプル請求、展示会、セミナーなど継続して見込客を獲得する仕組みづくりが必要になります。


②見込客情報の一元化と共有

リードナーチャリングを効果的に行うためには見込客情報をデータベース化して共有することが重要です。「その見込客がどんな行動をしたか」「それに対していつ誰がどんなアプローチをしたか」が一目で分かるようなシステム作りが必要になります。まずはこれまで獲得してきた見込み顧客を、過不足なく一つのリストにすることから始めましょう。例えば、営業担当者が個人で作成していた連絡先リストや、セミナーやWebサイトなどを通して取得した見込み顧客リストなどを一元管理していきます。


③見込客育成のシナリオ作り

見込客を戦略的に育成するためにはその見込客が現状どの段階にいて、次はどこまで目指すのかというシナリオが必要です。自社商品の購買プロセスに合わせてステップを設定し、そのステップを段階的に上っていく育成シナリオを作成します。購買プロセスの整理は、見込み顧客に提供する情報のヒントになります。フレームワークのAIDMA(認知・興味・欲求・記憶・購入)に当てはめてみたり、営業の意見を聞いたりするなどして、顧客の購買プロセスを検討しましょう。


インターネットで情報を簡単に調べられる現代では、営業担当者が顧客に会う段階で既に顧客は半分以上検討が終わっている状態であるとのデータもあります。そういったことも考慮しながらプロセスを整理しましょう。


④定期的な顧客フォローを行う仕組みづくり

マーケティングオートメーション(MA)ツールを使い、定期的にコミュニケーションを取れる仕組みを構築します。インサイドセールスもこの段階で運用します。メール配信や顧客のIPアドレス解析などのシンプルな機能を使い、仕組み化することから始めると良いでしょう。


⑤見込客のランク分け

見込客にとって最適な情報を提供するためには、その見込客がシナリオのどの段階にあるのかを把握してランク分けすることが重要です。ランク分けの方法としては見込客がとった行動に応じて、資料請求で10点、セミナー参加で20点のように点数をつけていくスコアリング(スコアリングについては別記事にて)が効果的な方法です。一人ひとりの見込み顧客が、現在どのようなステータスなのかを可視化します。マーケティングオートメーション(MA)ツールでは、スコアリングによって見込み顧客を分類することが可能です。


⑥有望な見込み顧客を特定

これまでの過程を通じて特に有望な見込み顧客を見つけることができれば、営業担当に引き渡しましょう。社内連携はリードナーチャリングを成功に導く要素の重要なひとつです。



以上がリードナーチャリング導入の手順ですが、いきなり自社でいちからはじめようとすると非常に手探りになり、時間もコストもかかってしまう可能性があります。KIYONOには操作性がシンプルで使いやすいMAツールや、多彩なお客様との蓄積されたノウハウがありますので、興味ある方は下記よりぜひご連絡お待ちしております。





8.リードナーチャリング成功事例

リードナーチャリングの事例を具体的にご紹介します。


●BtoB事例

BtoBの場合よくあるのが展示会実施後、名刺交換をした顧客リストを顧客育成という観点で管理できていないという話です。いざ営業をかけようとしても名刺獲得数が膨大であれば、そのすべてに営業活動を行う対応が遅くなる顧客が発生します。その為対面営業を行うためのホットリードとコールドリードを切り分けることで効率の良い営業活動を行っていった事例です。


①クライアント:パレット・物流機器のレンタル・販売・リサイクル企業

②施策内容:展示会リードのフォローアップ/営業シナリオ事例

展示会で獲得したリードの中から、確度が高い(営業をすぐにかけるべきと定義した顧客)と判断される以外のリードに対して、展示会後すぐにフォローアップメールを実施。その後、一定複数回の配信を経て高スコアを獲得したリードを営業へ連携していくことでホットリードの商談数を上げ売上につなげる。また、高スコアを得られなかった顧客に関してはインサイドセールス対象として抽出し、次の営業シナリオに繋げる施策を実施。

③効果:

・対面営業効率の向上

・インサイドセールス対象顧客の抽出

・デジタル上での定期的な顧客接触、情報発信




●BtoC事例

BtoCの場合、商品にもよりますが検討期間がBtoCより短いことが多いです。またデータが膨大になるため“群”としてカテゴライズも必要になります。タイミングを優先事項としてカテゴライズしたターゲットへの施策を実行していく必要があります。ターゲットに合った商品内容を配信していくことで、顧客の購買意欲を向上させ購買につなげていくことができます。


①クライアント:化粧品・健康食品等の通信販売

②施策内容:ECサイトで顧客情報に紐づいた商品訴求と売上増加施策

顧客の興味関心/商品カテゴリ情報を元に訴求するコンテンツの配信分けをすることで、顧客に合った商品内容でのコンテンツ配信を行う。顧客毎に適切な需要に沿った商品訴求を行うことで顧客のメール開封率を上げ、リピート増加、ロイヤリティ向上につなげていくための施策。

③効果:

・顧客ニーズに合ったコンテンツを配信できることで、購買意欲向上につなげ売上につなげることが可能

・顧客が何に興味があるか把握できるため、次回の施策や商品訴求が考えやすくなる



これらは弊社がシステム導入~施策の実行まで一貫としてマーケティング活動を支援しているからこそ、結果に結びつけられた事例でもあります。



9.リードナーチャリング失敗事例

それでは、リードナーチャリングがうまくいかない2つの事例も紹介します。


●顧客理解が乏しく育成ストーリーが描けていない

リードナーチャリングが失敗する理由として「見込み客の状態に関係なく売り込んでしまう」ことが挙げられます。たとえばまだ具体的な検討段階にも達していない顧客は「どこから買うか?」や「いつ買うか?」も当然決まっていない。そのため、このような顧客にいくら提案や売り込みをしても、反応は鈍い。このような状況の顧客には売り込みよりも、売り込まずに信頼関係を作っていく方が効果的です。しかし、営業担当者は「売ること」が仕事なので売り込もうとします。その結果、「なんかあったら連絡するから今はいいよ」と言われてしまい、フォローができなくなるし、しにくくなってしまいます。


リードナーチャリングでは自社の商材や業界特性から、顧客が購入にいたるまでのプロセスを可視化して、顧客を育成していくことが重要です。顧客の買い方を知ることで、顧客への売り方も同時に描いていくことができます。


●社内における部署間の連携が不十分

営業が介在するビジネスモデルの場合、リードナーチャリングで顧客育成した先に、営業による商談があります。リードナーチャリングの段階では、顧客のニーズを理解して、購入プロセスを見極めて丁寧にコミュニケーションをとって育て上げてきた顧客情報があります。この情報が営業側に密に連携できていない場合、顧説明内容が異なったり、的外れな提案が続き、顧客の購買意欲をそぎ受注機会を逃しかねません。しいてはブランドイメージの低下にまでつながりかねません。




10.自社にとって最適なリードナーチャリングを

世の中は、リードナーチャリングに関する豊富な情報で溢れています。

インターネットで検索してみれば、用語の解説や聖子事例など、さまざまな記事や資料で情報を集めることができます。しかし、リードナーチャリングをすること自体が目的ではなく、顧客の育成を通して自社の売り上げやサービスの向上につなげていくことが最終のゴールです。

企業規模や業種などによっても最適なナーチャリングのプロセスは大きく異なることが挙げられます。自社におけるリードナーチャリングがどうあるべきか、という最適解に近づくためには、できるだけ多くの事例から、幅広い業種、業界で転用可能な体系化されたノウハウを得ることが重要です。


一から自社ではじめるのは自信がない、これから検討していきたいという方。多彩なお客様との蓄積されたノウハウのKIYONOにぜひ一度ご相談ください!!











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