拡張コンバージョンのGoogle設定方法や確認方法を解説!成功のためのポイントも紹介
こちらの記事では、Googleの拡張コンバージョンの利点、設定方法、確認手順について詳しく解説します。また、デメリットやそれを活用してマーケティングを成功させるための5つのポイントについても説明します。これから拡張コンバージョンを導入しようと思われている企業様は、ぜひ最後までご覧ください。
▼この記事でわかること
- Googleの拡張コンバージョンの利点について
- 拡張コンバージョンの設定と確認方法
- 拡張コンバージョンのデメリット
- 拡張コンバージョンを成功に導くための5つのポイント
拡張コンバージョンとは?
端的に解説:拡張コンバージョンとは、従来のサードパーティーCookieに依存しない形で、正確なコンバージョン計測を可能にするGoogle広告の新しい機能です。
この機能は、ファーストパーティーデータ(顧客のメールアドレス、電話番号など)をハッシュ化してGoogleに送信し、Googleアカウントと照合することで、ユーザーの行動を追跡します。これにより、プライバシーを保護しつつ、広告の効果をより正確に測定することができます。
▶︎拡張コンバージョンの目的・従来のものとの違い
従来のコンバージョン計測は主にサードパーティーCookieを利用していましたが、プライバシーの懸念や規制の強化により、その有効性が低下しています。拡張コンバージョンは、これに対処するために開発された機能で、以下の目的を持っています:
- 正確な計測: ファーストパーティーデータを使用することで、従来の計測よりも正確にコンバージョンを追跡します。
- プライバシーの保護: データはハッシュ化されるため、ユーザーのプライバシーが保護されます。
- Cookieレスの計測: Cookieに依存しないため、将来的なCookie廃止に対応しています。
従来のサードパーティーCookieを用いた方法は、ユーザーのトラッキングに依存していたため、規制が強化されると効果が限定されました。一方、拡張コンバージョンはファーストパーティーデータを活用し、より安全で信頼性の高い計測を実現します。
▶︎拡張コンバージョンができた背景
拡張コンバージョンが登場した背景には、サードパーティーCookieの廃止が大きく影響しています。以下にその背景を詳しく説明します。
- プライバシーの保護へのニーズ: ユーザーのプライバシーに対する意識が高まる中で、各国の規制機関はサードパーティーCookieの使用に対する規制を強化してきました。例えば、GDPR(一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)などが施行され、ユーザーのデータ利用に厳しい制限が設けられています。
- テクノロジー企業の対応: プライバシー保護の動きに対応して、AppleはiOS 14でサードパーティーCookieのトラッキングを制限し、Googleも2024年までにChromeでサードパーティーCookieの廃止を予定しています。この動きにより、従来の広告計測手法では正確なデータ収集が困難になり、広告主は新たなソリューションを求めるようになりました。
- ファーストパーティーデータの重要性: サードパーティーCookieの代替として、ファーストパーティーデータの活用が注目されています。これは、ユーザーが直接提供したデータ(例えば、登録フォームでの入力情報)を利用して、広告効果の計測を行う方法です。この方法は、プライバシー保護の観点からも好まれ、拡張コンバージョンのような新しい計測手法が開発されました。
拡張コンバージョンの仕組みについて
端的に解説:拡張コンバージョンは、ファーストパーティーデータ(例: メールアドレス、電話番号)をハッシュ化し、Googleに送信することで、ユーザーの行動を追跡し、正確なコンバージョン計測を行う仕組みです。
これにより、プライバシーを保護しつつ、広告の効果を最大化することができます。
拡張コンバージョンの設定方法
拡張コンバージョンの設定には、Googleタグマネージャー(GTM)を使用します。以下の3つの方法で設定が可能です。
1. 自動収集
GTMを使用して、ウェブサイトで収集されるファーストパーティーデータを自動的に収集し、ハッシュ化してGoogleに送信します。簡単に設定できるため、初心者にも適しています。
手順:
- Google広告アカウントで拡張コンバージョンを有効化。
- GTMで拡張コンバージョンのタグを追加。
- 自動収集の設定を有効にする。
2. コード追加
ウェブサイトのHTMLコードにコンバージョンタグを手動で追加し、収集するデータ(例: メールアドレス)をタグに含めます。この方法は、特定のイベントや条件に基づいてコンバージョンを計測したい場合に適しています。
手順:
- ウェブサイトのソースコードにGoogleのコンバージョンタグを挿入。
- 必要なデータをタグに含める。
- Google広告アカウントでタグの動作を確認。
3. 手動設定
GTM内でデータレイヤーを使用し、特定のデータを収集する方法です。カスタム変数やトリガーを設定し、より複雑な計測を行いたい場合に有効です。
手順:
- GTMでデータレイヤーを設定。
- カスタム変数やトリガーを作成。
- 拡張コンバージョンタグを追加し、データレイヤーと連携。
拡張コンバージョンの確認方法
設定が正しく行われたかを確認するには、次の方法を試すと良いでしょう。
- Google広告アカウントでの確認: 拡張コンバージョンを設定した後、コンバージョン数が適切に反映されているかを確認します。
- GTMのプレビューモード: プレビューモードを利用して、設定したタグが正しく動作しているかをテストします。この機能を使って、ハッシュ化されたデータがGoogleに正常に送信されているかを確認します。
Googleのリードの拡張コンバージョンについて
リードの拡張コンバージョンは、購入に至る前のユーザーの行動を追跡するための機能です。これにより、潜在顧客(リード)の行動データをより正確に把握し、広告の効果を高めることができます。リードジェネレーションの効果を最大化するために、この機能を活用することで、質の高いリードを育成し、最終的なコンバージョンにつなげることが可能です。
リードの拡張コンバージョンは、特にリードジェネレーション広告キャンペーンで重要な役割を果たし、広告主がリードの質を向上させる手段として広く利用されています。
拡張コンバージョンを使用する際のプライバシーポリシーについて
拡張コンバージョンを使用する際には、ユーザーのプライバシーを保護するために、以下のポイントを押さえたプライバシーポリシーを策定する必要があります。
- ユーザーの同意取得: ファーストパーティーデータを使用する際は、事前にユーザーから明示的な同意を得る必要があります。ウェブサイトでのポップアップや同意バナーを使用し、データ収集に対する許可を取得します。
- データの透明性: どのようなデータが収集され、どのように使用されるのかを明確に説明する必要があります。プライバシーポリシーには、収集するデータの種類、目的、および第三者への共有についての情報を含めることが重要です。
- データのハッシュ化と匿名化: 拡張コンバージョンでは、収集されたファーストパーティーデータがハッシュ化され、個人を特定できない形式でGoogleに送信されます。これにより、データが第三者に渡った場合でも、個人を特定するリスクが低減されます。
- ユーザー権利の尊重: ユーザーには、自身のデータにアクセスし、修正や削除を要求する権利があることを明示する必要があります。また、ユーザーがいつでもデータ収集を拒否できるオプトアウトのオプションを提供します。
- プライバシーポリシーの更新: プライバシー関連の法律や規制が変更された場合や、新しいデータ処理技術が導入された場合には、プライバシーポリシーを随時更新する必要があります。ユーザーには、その更新について通知し、必要に応じて再度同意を求めます。
▶︎図解のすすめ
プライバシーポリシーの項目に対応する形で、ユーザーデータがどのように収集され、ハッシュ化され、Googleに送信されるかを図解したものを掲載すると良いでしょう。そうすることで、ユーザーに対してデータの透明性を確保することができます。
▶︎プライバシーポリシーの実施例
具体的なプライバシーポリシーの例としては、以下のような文章を含めると良いでしょう:
「当サイトでは、Google広告の拡張コンバージョン機能を使用して、お客様の行動を追跡し、広告の効果を最大化しています。この機能を使用するにあたり、お客様の個人情報(例:メールアドレス、電話番号)は、ハッシュ化された形式でGoogleに送信されます。このデータは匿名化され、広告のパフォーマンス分析のみに使用されます。」
これにより、ユーザーは自身のデータがどのように利用されるかを理解し、安心してウェブサイトを利用することができます。
拡張コンバージョンのデメリット
拡張コンバージョンは、広告の正確な効果測定を可能にする強力なツールですが、いくつかのデメリットも存在します。プライバシーの保護と技術的な対応をバランスよく行いながら、拡張コンバージョンの効果を最大限に引き出すことが重要と言えるでしょう。
▶︎全ユーザーに対応できない
拡張コンバージョンは、ユーザーが提供するファーストパーティーデータ(例:メールアドレス、電話番号)に依存しているため、全てのユーザーが対象になるわけではありません。特に、データ提供を拒否するユーザーや、そもそもデータを提供していないユーザーに対しては効果が限定されます。
▶︎技術的なハードル
拡張コンバージョンの設定には、ある程度の技術的知識が必要です。Googleタグマネージャーの設定や、ウェブサイトへのコード追加が必要なため、技術に精通していない広告主にとっては導入が難しい場合があります。また、データレイヤーの設定やカスタムトリガーの作成など、より高度な技術的作業が必要な場合もあります。
▶︎プライバシー規制への対応
ユーザーデータの取り扱いには厳格なプライバシー規制が適用されます。これに違反すると、法律上のリスクが発生する可能性があるため、データ収集や使用に際しては最新の法規制に従った慎重な対応が求められます。プライバシーポリシーの更新や、ユーザーからの同意取得が適切に行われているかの確認が必要です。
▶︎データ依存性のリスク
拡張コンバージョンの効果は、収集したデータの質や量に依存します。データが不足している場合や、ハッシュ化されたデータがGoogleに正しく送信されない場合、正確なコンバージョン計測が難しくなる可能性があります。
▶︎運用コストの増加
拡張コンバージョンを適切に設定し運用するためには、リソースや時間が必要です。特に、複雑なウェブサイトや多様なユーザー行動を追跡する場合、設定やメンテナンスにかかるコストが増大する可能性があります。
拡張コンバージョンで成功するための5つのポイント
拡張コンバージョンを効果的に活用してマーケティング成果を上げるためには、以下のポイントに注意することが重要です。
- ファーストパーティーデータの収集と活用: 顧客からのデータ収集を積極的に行い、質の高いファーストパーティーデータを蓄積することが重要です。メールアドレスや電話番号など、信頼できるデータを確保することで、拡張コンバージョンの精度が向上します。
- プライバシーに配慮した設定: プライバシー規制を遵守し、ユーザーの同意をしっかりと得ることが不可欠です。明確なプライバシーポリシーを策定し、ユーザーが自身のデータ利用を把握できるようにすることで、信頼を築きます。
- 継続的なデータの検証と最適化: 拡張コンバージョンの設定が正しく機能しているかを定期的に確認し、データの精度や収集プロセスを最適化することが求められます。これにより、マーケティング効果を最大限に引き出すことができます。
- ターゲティング戦略の再評価: ファーストパーティーデータを活用した拡張コンバージョンによって得られる洞察をもとに、ターゲティング戦略を再評価・改善することが効果的です。より正確なターゲティングにより、広告効果が大幅に向上する可能性があります。
- テストとフィードバックのサイクル: 新しいキャンペーンや変更を導入する際には、小規模なテストを実施し、得られたフィードバックを元に戦略を調整することが大切です。この反復的なプロセスにより、拡張コンバージョンの効果を最適化し続けることができます。
これらのポイントを実践することで、拡張コンバージョンを最大限に活用し、より高いマーケティング成果を達成することが可能になります。
拡張コンバージョンの総括
拡張コンバージョンは、サードパーティーCookieに依存しない正確なコンバージョン計測を可能にし、プライバシー保護を強化しながら広告効果を最大化するツールです。
その導入には技術的な知識と適切なプライバシー対応が求められる一方で、全てのユーザーに対応できない、コストがかかるなどのデメリットも存在します。しかし、これらの課題を乗り越えることで、より信頼性の高い広告戦略を構築できることでしょう。
尚、当社では今まで数多くの企業様に対して、拡張コンバージョンの実装支援を行って参りました。また、導入しておしまいではなく、その後のマーケティング効果の最大化までサポート可能です。もしこれから拡張コンバージョンに取り組もうと考えられているようでしたら、お気軽にお問合せください。